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世界に飛び出す若者よ、ルールは自ら創り出せ-原丈人氏が語る、誇るべき日本人の強みと、日本経済発展の方向性とは?

Japan
「技術を使って世界を変える」というビジョンを掲げ、新たな基幹産業の創出や現在の資本主義に代わる経営哲学としての「公益資本主義」の提唱、途上国支援などの活動を行う。考古学者やベンチャー・キャピタリストなど、さまざまな顔を持ち合わせている。

DEFTA PARTNERS グループ会長   アライアンス・フォーラム財団 代表理事

2013.10.15
後編:自分探しをする暇があれば、途上国を旅しよう-原丈人氏が期待する、野心を持たない日本人たち

自分でルールを生み出せないと、これからの世界でやっていけない

原様 1話目-1

- 世界中でご活躍されている原さんですが、これから世界に出る若者が身につけるべきだと思われることを教えて下さい。

日本から世界に出て行く若い人たちには、「ルールメイキング」という言葉を覚えておいて欲しいですね。自分の頭で考えずに、何の疑問も持たないまま、日本で教え込まれているルール。そんなルールを鵜呑みにするのは危険。与えられたものをそのまま受け入れるのではなく、状況によって自らルールを生み出せるようになることが重要です。

明治時代の日本は、海外から農業機械や繊維を作る機械など、あらゆるものを取り込むことで、大量に安く、良い商品を作って産業を発展させていきました。私は、そろそろ日本は海外から与えられたものではなく、日本人の強みを活かした、日本人にしか作れないものに取り組むべきだと考えています。

- 海外で活躍するために、やはり英語は必要条件でしょうか。

もちろん、英語を学ぶことは大事。でも英語を学ぶがゆえに日本語がおろそかになったら元も子もない。なぜならば、今後は逆に日本語の能力がさらに必要となるからです。おそらく近い将来、テクノロジーが発達して、リアルタイムで何語でも訳せる自動通訳機械ができるでしょう。それを使いこなすためには、しっかりとした日本語を話せて、書けて、そして、日本のロジックで物事を説明できる必要があります。

また、英語を学ぶことと同様に、海外の人に、日本語を勉強したいと思わせる状況を作ることも重要です。人は、本当に学びたいものがあれば、たとえば、明治時代に日本人が医学を学ぶために、全くわからないドイツ語を学んだように、語学くらい克服できます。私がアフリカで鉄道を作るプロジェクトに関わった際に、日本企業にアフリカ人スタッフのトレーニングをしてもらおうとしたのですが、英語を話せる日本人社員がいませんでした。

でも、日本人に英語を学ばせるのではなく、アフリカ人に日本語で学んでもらったんです。みんな日本の素晴らしい鉄道技術を身につけたい一心だったので、日本語でちゃんと学びましたよ。そういう仕組み作りをできる人材が、今後の日本には必要ですね。

途上国の発展のためにも、目指すべきは“実体経済”

原様 1話目-3

- 日本経済は、今後どのような方向を目指すべきだと考えていらっしゃいますか?

これからの日本は、架空経済ではなく、実体経済を作るべき。実体経済とは、「人間が必要とする分だけの商品やサービスを、生産・消費する経済活動」のこと。たとえば、住宅や自動車、携帯電話などを、人間の数だけ作るのはバランスが良い状態ですが、売れることを見込んで住宅やマンションなどを過分に作り、それらを転売するなどして、実体のないものを膨らませた取り引きをするのは良くない。

この方法だと、手っ取り早く、楽に儲けられるかもしれませんが、バブルを引き起こして、いつかリーマンショックのように崩壊します。いわゆる、一部の人間だけが勝利者になり、その他大勢の人間が敗者になるゼロサムゲームです。日本は、実体経済をしっかりと作っていく必要があります。また、私は途上国において、貧困階級の人たちが中流階級になっていくという方向性で経済に関わっていくつもりです。

それぞれの国が独自の発展をしていくために重要なこととは。

原様 1話目-2

- 貧困階級の人たちが中流階級となるためにはどうすれば良いのでしょうか。

貧困階級の人たちを中産階級にするには、貧しい人たちに無担保で小口のお金を貸す「マイクロファイナンス」という仕組みが効果的です。マイクロファイナンスは、バングラデシュでグラミン銀行を作ったモハメド・ユヌス氏と、世界最大のNGOであるBRAC(バングラデシュ農村向上委員会)を設立したアベッド氏のふたりが作った概念。

事業をやる熱意があっても、担保がないのでお金を貸してもらうことができない貧しい人たちに、無担保で小口のお金を貸してあげます。これは、貧困階級が中流階級となる大きな原動力になる。そして、無担保でお金を貸しているにも関わらず、なんと返済率は99.7%。日本のように担保を取っているところよりも返済率が高い。

なぜかというと、借りにくる一人ひとりから、どんな事業で何をしようとしているのかを直接聞いているから。人物を見て貸すんです。これが「顔の見える金融」であり、まさに、実体経済の原点はここにあります。

また重要なのは、自らの状況に応じてルールを作っていくことです。たとえば、元英国植民地であったアフリカの大統領に、「あなたの国には貧しい人を豊かにする銀行がありますか?」と聞くと、英国の銀行ばかりがいくつも挙げられます。

しかし、これらの銀行は植民地時代にできた銀行なのだから、その地にあった銀行ではない。他国によるルールメイキングに従い、豊かにするものを使うのではなく、自分の国を豊かにするためのルールメイキングを自ら考え、使うべきだと思います。

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