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インドネシアで馴染みのない、キャラクタービジネスを広める方法 – 20万部の『小学生新聞』発行できっかけを掴む 株式会社トキオ・ゲッツ 山田奈津子氏

Indonesia
映画やアニメ・マンガなどのコンテンツなどを用いたキャラクターライセンスビジネスなどを展開するトキオ・ゲッツ。近年海外進出もする同社において台湾拠点を立ち上げ、今年5月からはインドネシアに赴任している山田氏は現地ではまだ馴染みの薄いキャラクタービジネスの浸透に奮闘している。

株式会社トキオ・ゲッツ  インターナショナルディヴィジョン チーフマーケティングディレクター

2015.01.13
【前編】アニメや漫画など、日本のコンテンツをアジアに出す - 株式会社トキオ・ゲッツ 山田奈津子氏が海外事業を担当して見えてきた可能性

市場がなければ自ら創ってしまおう

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インドネシアで生活してみての印象はどうですか?

私がジャカルタに着任したのは今年の5月ですが、それ以前にも出張で来ていました。ガルーダ・インドネシア航空という日本との往復に利用しているエアラインがあるのですが、これに去年10月に初めて乗ったとき、座席はガラガラでした。それが最近では乗ると満席に近い状態です。羽田空港のインドネシア便も増便され、波が来ていると感じますね。

ジャカルタ市内を見渡せば建設中のビルばかりですし、私たちのオフィスが入っているビルにもどんどん日系企業が進出してきたり、新商品が続々投入されたりと、経済の登り坂にいることを強く実感します

インドネシアでのビジネスは好調なのでしょうか?

ジャカルタのオフィスも台湾と同時に出して今年で3年目ですが、開設当初は苦戦を強いられたようです。そもそも、インドネシアでこのキャラクタービジネスを展開するにはそれなりの覚悟が要りました。現地のテレビでアニメの放映を見かけることはあまりありません。子どもたちがアニメに触れる機会がほとんどないのです。そこに日本のアニメのキャラクターを持ち出したところでPRは通用しません。

どうやったら現地の子どもたちに受け入れられるんだろう。スタッフ同士で話し合って思いついたのが、現地の小学校向けに無料で『小学生新聞』を配布することでした。

自分たちでメディアを持って、そこから発信していこう。正解も分からない中でまずはやってみようと勢いで始めましたが、1年経った今ではジャカルタ市内と近郊を合わせた約1800の小学校に20万部発行するメディアへと成長しました。

新聞は科学系コンテンツを中心に、子どもたちが自宅に持ち帰って読んだり実験を試したりしたくなるような内容を盛り込んでおり、インドネシアで子どもをターゲットにした無料メディアは当社が初だと自負しています。企業から新規に新聞広告を出したいという問い合わせも増えてきていて、私たちの事業の核と言えるまでに育ってきています。

語学を恐れて外に出ないのはもったいない

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お仕事での苦労はありますか?

ありますね。日本では同僚と「あれやっといてくれる?」のような抽象的な話でも通じ合えるのが、現地社員が相手だと丁寧に説明しないとこちらの言いたいことは通じません。これは今でも失敗する度に「一から説明しなきゃいけなかったんだ」と反省させられていますね。

互いに第二言語である英語を使っての会話なので、不足分を補うために絵に描いたりボディランゲージに頼ったりしています。そういえばジャカルタに来てから絵が上手くなりました(笑)。例え話も、互いのイメージをすり合わせるのに有効なのでよくしています。

全て英語でのやり取りは大変そうです。英語は着任前から得意だったんですか?

いえいえ、中学2年生レベルからの再出発です。インドネシアに来るにあたっては語学アプリやオンライン英会話を利用したり、中学生時代の英語の教科書を引っ張り出して勉強しました。現地の人にとっても英語は第二言語なので、難しい言葉を使っても伝わらないんです。中学で習った基礎英語の重要性を痛感しています。

でも、来てみればどうにかなるものですよ。外国語がネックで、海外に出ることを恐れることの方がもったいないと思いますね。仕事している中で使われる単語やフレーズも固定化されてきますし、会話の中で知らない単語に出くわしても何のことを話しているか案外分かるものです。語学の勉強にお金や時間を費やすより、現地に行ってしまった方が早いですよ。

コミュニケーションの苦労を補って余りあるほどなのが、インドネシアの国民性の親しみやすさです。一緒に仕事をしていて楽しい人たちばかり。着任当初の私は余裕も無くキリキリすることもよくあったのですが、現地のスタッフたちがいつも賑やかで明るく、今ではすっかり心をほぐされています。周りへの感謝や尊重、協力、困っている人を助けること、富める人が貧しい人に施すこと。これらが国民性として自然に身に付いていて、私も価値観が変わるくらいの大きな影響を受けています。

仕事の仕方も、個人プレーよりは、皆で何かひとつの目標に向かって協力し合うことの方が得意です。自分の業務の範囲を越えて同僚に「大丈夫?」と声をかけて手伝ったりしている姿を見かけますね。その分、自分が抜きん出よう、他者と競争しようという意識は薄いように感じます。ビジネスにおいてこの性質は一長一短だとも思いますが、トキオ・ゲッツの事業にこの国民性はマッチしていて、いいシナジーが生まれています。

今後の展望を聞かせて下さい。

インドネシアも進出から3年目。日本で得意としているエンタメ・タイアッププロモーション、そしてインドネシアでスタートをさせた教育事業、ともにようやく花が開き始めました。

今後はこれをさらに大きな収穫にするためビジネスを加速していきます。クライアントも現在は日系企業が中心ですが、本当の意味でこの国に根付くためにはやはり現地企業との結びつきを強めることが必須なので、そこに入り込んでいきたい。それに『小学生新聞』で培った教育機関とのコネクションも活かして、今後はイベント開催や教材販売などやってみたいことがたくさんあります。

今後は事業の拡大と共にアジア圏での他の国にも進出をしていくと思います。ただ海外事業は日本国内での実績の積み重ねがあってのものです。だからこそ、いずれは海外から日本に何かお返しができればとも思いますね。海外事業で培ったものを今度は日本に返すことで新しいモノやサービスを生んだり、新たな仕事を生み出したりしたいです。ここまで出来たら万々歳です!

 

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