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駐在員がいなくても、現地スタッフと思いをひとつにする方法 – レアジョブ加藤智久氏から学ぶ、遠距離マネジメントの秘訣

Phillipines
業界最大手の、オンライン英会話サービスを運営するレアジョブの社長。25分129円からのマンツーマンSkypeレッスンでは、フィリピンの東大と呼ばれるフィリピン大学を中心とした優秀な学生・卒業生に指導してもらえる。より多くの日本人に英語を話す環境を提供することをミッションに活動する。

株式会社レアジョブ  代表取締役社長

2013.10.08
前編:若い頃に出会う原体験が、君の未来を変えてゆく
大学時代のインターンでの原体験から「自分でレールを敷いて生きていきたい」と決意した加藤氏に、オンライン英会話事業を始めたきっかけや、目指すビジョンについて伺った。

フィリピンに飛び込んで、2週間で現地スタッフを見つけた

- どのようにオンライン英会話事業をしようと決められたのですか?

戦略コンサルティングファームで働きだして3年が経つ頃から、そろそろ起業しなければと思うように。実は、半年間ほどSkypeを使った日本人向けの中国語会話ビジネスをやっていたことがあるんです。でも、英語に比べて学習者の数が圧倒的に少なく、日本語のできる中国人教師を探すのが大変で。

そこでの経験もあって、Skypeを使った英語事業が良さそうだなと思うように。その時ちょうど、フィリピン系オンライン英語が出てきていたので、フィリピンに興味を持ちました。事業を始めるとしたら、システムに関しては現COOである中村が作れるので、あと必要なのは講師だけだと思い、まずは現地の様子を見てみることに。

2週間の休暇を取り、ひとりでフィリピンに行きました。この時が初めてのフィリピン渡航。そしてこの滞在中に、今のレアジョブの基礎を作ることに多大な貢献をしてくれた現地スタッフと、運良く出会うことができたんです。

- その現地スタッフとは、どこで出会われたのですか?

フィリピン大学で出会いました。ツテも情報も何もないままフィリピンに飛び込むなんて、今思い返すと、あの時は若かったな……と思います(笑)。どこに行けばいいのかわからず、フィリピンの中で一番オンライン英会話に関連していそうな、日本でいう東京大学と同じ立ち位置のフィリピン大学に向かったんです。

でも、キャンパスがあまりにも広くて困り、周りにいた人に色々と聞いてみたらインターナショナルスクールを教えてくれて。行ってみると、そこは日本でいうところの留学生会館。「オンライン英会話とはあまり関係ないのでは……」と思いながらも館内を見ていました。すると、掲示板に英語講師募集の張り紙がたくさん貼ってあるのを見つけて。

「なるほど!こういう風に講師を募集すれば良いんだ」と思って、すぐに大学の学務課に行き、張り紙を貼る許可をもらいました。張り紙の内容は、「Skype英会話の講師募集中」というもの。詳細はほとんど書かずに、自分のメールアドレスを書き加えて壁に貼りました。

誰かに事業内容の説明をする機会があるかもしれないと思い、資料を印刷してきたのですが、まさかここで役に立つとは。すると、数日後に応募者が何人か集まり、そのなかでもシェムという女性が優秀で信頼できそうだったので、現地スタッフとして関わってもらうことに。

彼女は、当時大学生だったのですが、起業をしている母親の手伝いを小さい頃からしていて、事業立ち上げ段階の今にぴったりだと思ったんです。滞在最終日の夜に面接をしたので、彼女と出会った数時間後には、私は飛行機に飛び乗っていました(笑)。出会いはいつ起こるか、わからないものですね。

気持ちや情熱の共有までは、Skypeではできない

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- 現地でスタッフを見つけられた後は、どのように事業を進められたのですか?

フィリピンから帰国して、2ヶ月後には会社を辞めて起業をしました。それから半年くらいはフィリピンに行かず、Skypeでシェムとやり取りをしながら講師の確保やスケジュール管理をしてもらいました。最初は許容できる損失の範囲内で相手を信頼して誠実に向き合い、少しずつお互いの信頼を増やしていくしかありません。

最初のうちは、シェムの知り合いベースで広まっていった講師数ですが、現在アクティブに働いているフィリピン人講師は約3000名です。優秀で、さらに教えることに情熱を持っている方に声をかけています。新興国になればなるほどメディアが発展していないので、人づてが一番強力なツールになりますね。

今でも向こうに行ったら最終面接は私がやります。Skypeで日本から面接をしたりすることも。日本人がサービスに求めるレベルは高いので、教師の質にはこだわっていますね。

- 遠く離れた場所にいる現地スタッフを、日本からマネジメントするのは大変そうですね。

そうですね。スタッフが2、3人なら良いんですけど、人数が増えるとなかなか難しくて。でも、現地法人の方に常駐している社員はいないんです。よくそれでフィリピン人が出社するね、と言われます(笑)。現在、私を含めて3名が半常駐という形で、約2週間毎に日本とフィリピンを往復しています。

やはり、相手と腹を割って話したり、どんなビジョンを持ち、何を達成させたいのかという話をしたりするには、対面が一番。そこで決まったことに関するスケジュール管理はSkypeでも可能ですが、気持ちや情熱の共有まではSkypeではできません。そういった共有があって、初めて信頼関係が築かれていくんです。

スタッフにとっては、「信頼している」と言われることって、目の前で「あれをやれ、これをやれ」と言われるよりも何倍もインパクトがあるはず。現地には信頼できるスタッフがたくさんいるので、駐在員がひとりもいなくても、事業を進めることができています。

どんな場所にいる、誰に対しても、同様のチャンスを提供したい

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- 現地スタッフの方々は、どんなビジョンに共感されているのでしょうか?

「Chances for everyone, everywhere」という理念に共感してくれているスタッフが、特に女性に多いですね。レアジョブの授業はインターネット環境さえあればできるので、講師の人たちの大半は、基本的に自宅から教えています。フィリピンはシングルマザーが多いので、今までは地方出身の母親は、子どもを実家に預けて首都のマニラで働くことが主流でした。

でも、レアジョブだと自宅でできる上に、街からバスや電車で何時間もかかるような村でもインターネットさえあれば、都会で得られる給料、またはそれ以上を得ることが可能です。何よりも良いのは、子どもと一緒に暮らしながら働けること。だから「どんな場所にいる、誰に対しても、同様のチャンスを提供していく」という「Chances for everyone, everywhere」に共感してくれています。

- 加藤さんの事業を押し進める精神力・モチベーションを支えるものを教えて下さい。

ふたつあります。ひとつが、レアジョブに関わった方から「レアジョブがあって良かった」と言われること。もうひとつは、事業やプロジェクトで0から1を創りだすことを私自身が好きですし、誰かがそれをするのを応援するのも好きだということ。そういう意味では、「みんなで何かを創りだすことが楽しい」と思っていたインターン時代と、やっていることは今も変わりませんね。

レアジョブでは、実は正社員を採用する前からインターンを迎えていました。なぜならば、あまり経験できるものではない会社立ち上げの段階を、より多くの学生に見てもらいたいから。自分がしてもらったことを、他の人にもしてあげられるような人間でありたいと思っています。

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