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地下工事にENZANあり~世界中のトンネルの発展を陰で支える – ENZAN (ASIA) PTE. LTD. Director 藤田裕司氏

Singapore
現在シンガポールでは数々の地下工事が進行中だ。その工事を支える世界中から集められた人々の中に、藤田裕司氏がいる。トンネルを掘り進めるために欠かせないシステムを提供するべく、彼もまた日本から海外に出ていったABROADERSのひとりだ。

ENZAN (ASIA) PTE. LTD.  Director

2015.09.15

世界のトンネルの陰の立役者

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事業内容について教えて下さい。

株式会社演算工房は京都に本社を置く、主に建設・土木の現場で使用するソフトの開発・製作・販売をしている会社です。

現在私がいるシンガポールでは、地下鉄などのためにトンネル建設をする大規模な工事が同時にいくつも動いていて、そのトンネル掘削の現場が当社システムの仕事場です。

トンネルを掘るのは直径約7m、長さ10mの形をしたシールドマシンという機械で、先端が回転しながら前進することでトンネルを掘り進めていきます。当社のシステムは、計画通り正確に堀り進めるために必要なシステムで、業界では当社の名前をとって「enzan system」と呼んでいただいています。

自動車に例えて言えば、カーナビとドライブレコーダーの両方の機能を兼ね備えたようなものでしょうか。シールドが進む方向は、計画した範囲から5cm以上もずれることは許されません。正確に進むことをナビゲートして、堀った後も情報を記録するという役割を担っているのです。

この「enzan system」は既に世界20ヶ国で実用されており、これまでに1000以上ものトンネル建設に携わってきた実績があるのですが、ニッチな産業ではあるものの競合は国内外にあります。ここシンガポールでは当社とドイツ企業の製品がしのぎを削っています。

海外の地下工事には元々は日系ゼネコンに付随する形で仕事の発注をいただき、10年ほど前から当社が参加させてもらうようになったのですが、最近では日系以外の外国企業からも指名でご発注いただくことが増えてきており、仕事の幅の広がりも実感してきています。

藤田さんは具体的にどのようなお仕事をされているのですか?

現地でのソフトの営業活動、ソフトの保守・点検がここでの主な業務ですね。あとは新規顧客の開拓や、顧客の声を拾って新製品開発などにつなげられないか、日々チャンスをうかがっているところです。

競合企業との差別化という観点で言えば、当社システム納品後のアフターサポートはしっかりするように心がけています。現場に納めてから3ヶ月間くらいかけて使い方を指導して覚えていただいた後も、平常時からまめに現場に足を運び、顧客の要望に耳を傾けています。必要であれば改良やカスタマイズもしますよ。欧米系企業はその逆ですね。「こういうシステムなのだから、マニュアル通りに使ってね」という思想で設計されているので、当社システムの差別化はここにあると言えます。

ここシンガポールオフィスは当社唯一の現地法人ですが、このように顧客と近い距離にいてすぐ駆けつけられるように置いたという狙いがあります。事務所があるからこそ、お客様から信頼していただけるものだと思っています。

「きつい、汚い、危険」を少しでも減らせ

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技術一筋とのことですが、ずっとシステムのお仕事をされてきたのですか?

京都で大学時代を過ごし、専攻は土木工学でした。実は今の会社には学生時代、アルバイトで働いていたんです。その頃から会社は海外進出を意欲的に進めていましたね。

大学院卒業後、最初は大手通信会社に入社し、鹿児島県に赴任しました。大学での研究内容でもあったITと土木をつないだインフラ構築の仕事がしたいと希望を抱いていましたが、入社して間もない新人の私は実際の仕事と希望の仕事にギャップを感じるようになってしまいまして……。ちょうどそんな頃にかつてのアルバイト先である今の会社と再びご縁があり、社会人2年目に転職するに至りました。

転職して最初の1年半ほどはつくばの研究所に出向し、その後京都に戻ってきてから今のシステム開発の仕事に就きました。それと同時に、月のうち1週間~2週間前後は出張で日本にいないような生活がスタートしました。

色んな現場に行きました。中国にインド、東南アジア、アメリカにメキシコ。今のシンガポールの現場にもこの頃から顔を出していましたね。アメリカもシアトル、サンフランシスコ、NYにボストンと様々な都市を巡りました。

海外出張ばかりの日々が6年ほどしたところで、海外に事務所を置いたほうが海外でのビジネスも加速するとの想いから駐在員として行かせてもらうことを会社に提案し、2013年4月にシンガポール事務所開設、翌年6月に法人化しました。

トンネルを掘る現場は多くの人が関わる、とても壮大なお仕事ですね!

子どもの頃から大きなものを作りたいという憧れがありました。

色んな都市で仕事をして思うのは、都市の発展の流れはどこも似ているということです。まず地上が発展し、より高いものをと上を目指した後は、次は地下に、下へ下へと進んでいます。

つい最近まで地下工事は中国が盛況でしたが、今は台湾やシンガポールがトレンドで、インドや東南アジアに今後どんどん増えてきます。日本もオリンピック開催やリニア需要もあって増えてきていますね。

地下工事というのは、工場などとは違って目に見えない不確定要素の多い現場です。人もそれだけ多く絡みます。

こういった現場は日本では昔から3K(きつい、汚い、危険)などと呼ばれていますが、私はこれを英語で3D(Difficult、Dirty、Dangerous)と言い換えています。そして当社のシステムは三次元(3D)を使って、この3D現場を少しでも改善するためにソリューションを提供しているのです。当社の持つ力で、少しでも不確定要素を減らし、現場で汗を流す人々に貢献したいと思っています。

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